ブレゲの全ラインナップは、ドレスウォッチの方が売りやすいとすれば、比較的軽視されているシリーズですが、スポーツウォッチであるタイプXXやマリンの方が注目されているのも事実のようで、一般的にはまだまだラウンドウォッチが主流となっています。しかし、ブレゲを追い続けている人は、ヘリテージが数々の興味深いモデルを生み出していることを知っているだろうし、中にはディテールワークマンシップの豊かさだけで主力製品を凌駕するモデルもあり、2016年の新作Ref. 5410はその好例です。
ポイント1:ブレゲのレアビッグデート
このモデルは、3針の小型拡大デイトとして機能するモデルで、5480の機能的な後継モデルとなります。実はブレゲ製品では大型デイトが登場することはほとんどなく、最も有名なのは「マリンビッグデイト5817」で、3本針の大型デイトと6時位置の大型デイトを搭載していますが、このモデルとは全てが異なるものとなっています。5817はムーブメントが517GGなのに対し、5410は516GGで、516GGの情報がほとんどないため、モデル自体の知名度はこちらほどではありません。シースルーの底蓋がないため、ここではこれ以上の比較はできませんが、姉妹モデルである可能性はあります。
復習ポイント2:スーパーレイヤードフェイスプレート
5410の最大の特徴は、文字盤の階層構造にあります。一見すると、トノー型の文字盤の中に機能を表す円形の領域があり、その中にスモールセコンドとラージデイトが切り取られていることがわかります。円の中の時分はトノー型の中で受け皿状の窪みを形成し、スモールセコンドは時分の中で一段下の層になっており、光の加減で全体に見事な立体感を与えています。
ポイント3:ブレゲの名刻印を再現
中でも迫力があるのはトノー型のメインダイヤルで、不規則なスクロールパスを使って独特のゴージャスな模様を描いているため、3針と日付だけでありながら、スケルトンウォッチやクラフトウォッチのような非常に複雑な印象を人々に与えています。